ジャンルの手のひら回さんといてもろて(読書感想文「シャイロックの子供たち」)
こんにちは。今回も読書感想文です。最近読書感想文多いという説がありますが、単に毎回選ぶ本が短いだけです。 というわけで今回は、「シャイロックの子供たち」という本を読んできました。文庫の番号だと、池井戸潤作品の某倍返しマンのシリーズ2つの間に挟まれてます。 さらに言うと、この中で登場する銀行名が倍返しマンシリーズにも出てきているので、多分同じ世界線です。というわけで早速ネタバレしていきましょう。
※この記事は、あくまで私が思ったことを書き散らしただけなので、著者等の見解とは一切関係ありません
ネタバレ
今回の感想はそこまで内容と密接でない、構造的な話をしてるので読まなくてもいいかもしれないです。 ちなみに登場人物の名前を忘れたせいでめっちゃ読みづらい文章が出来上がりました。東京第一銀行の長原支店での物語。最初は行員(副支店長)の日常(部下に怒鳴る)とかがありますが、この次の行員が、休憩室で本を開いたとき、帯封が出てきました。 たぶん札束を束ねてるあれです。で、この日、ちょうど店内で100万円の現金が消えていました。 というわけで、この行員が疑われるわけですが、このあとこの行員の上司が指紋採取キットで捜査を開始します。 そして、これで疑われた行員の彼氏の元カノが自白します。ただ、この後もこの事件は続きます。上司が突然失踪してしまったのです。
そして話はずれますがこの長原支店で成績優秀だった行員がいます。 この行員、前は赤坂支店というたぶんあの超都心の赤坂で働いていて、ここで大成果を上げたため長原支店に昇進・異動してきたわけですが、 この男、赤坂支店でやらかしていました。賄賂をもらって、融資していたのです。 これだけなら今回の事件への関係はありませんが、異動してきたあと、その男から資金繰りの悪化を知らされ、 手伝わないといけなくなり、表向きには破綻していないが実際には破綻していて男が社長を務める会社への融資をします。 ここで男から利子すらも払えそうにないということで、100万円の振り込みが必要になります。ここで100万円を盗んでしまうわけになります。 このときの帯は、ロッカーなどがある(件の文庫本もある)3階に落とされました。
で、さっきの上司はこの犯人が特定できたのかできていないのか、作中では明らかになっていません。 ですが、これが原因で、成績優秀(貸させられてた)はその上司を殺害してしまいます。こんな感じです。
感想
まず、この本は、章ごとに視点が変わります。つまり、最初の章では副支店長視点、次の章では別の行員…という風になっているわけです。 このおかげで、副支店長視点からすると自分が部下を叱るのは仕方がないという見方になっていますが、 他の行員からするとやりすぎに感じられている、ということにも気づけたりしました。また、この本、最初の章は事件はあれど割と日常的ですが、だんだん日常からミステリーへと変わっていきます。 この部分は、他の本だとあまり感じられない、独特な読書体験だと思いました。
内容の面白さもありますが、私としてはこの独特な読書体験が特徴的だと感じたので、それを理由に、この本を勧めてみたいなと思いました。
