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歴史って少しのことで変わるなぁ(読書感想文「銃・病原菌・鉄」

こんにちは。電車とかの公共交通機関で移動するとき、結構暇なんですよね。 ですが、座れることもあるようなタイミングと路線で通学しているので、本を発動すればいいことに気付きました。 ということで、8月頭ぐらいに読み始めて、9月中頃まで読破にかかった「銃・病原菌・鉄」という本があるのですが、 今回はこれの読書感想文を書いていきたいと思います。 まぁ、読書感想文とは言っても、あらすじや思ったことを書き散らしてるだけですが。 ※この記事は、あくまで私が思ったことを書き散らしただけなので、著者等の見解とは一切関係ありません

タイトルの意味とあらすじ

まずは、タイトルの意味です。この「銃・病原菌・鉄」は、分類的には(多分)歴史学のあたりの本です。 そして、このタイトルの3つは、ヨーロッパ各国が、他の各大陸等を植民地化できた直接的な理由です。 つまり、ヨーロッパ各国は、銃、病原菌、鉄があったことで他の大陸を植民地化できた訳です。 ですが、この本はそこではありません。この3つの要素がヨーロッパにあった究極的な理由を解き明かしに行くのがこの本です。 「民族間の生物学的な差では?」という意見に対して、その他の様々な要因を根拠を示して反論している、というのが私の見方です。

ネタバレ

ここからはあらすじに対するネタバレです。ただ、これを前提に感想等も書いていたりするので、これから読む人は読んでから見ることをおすすめしておきます。 まぁ、読むのがそう短時間で終わることはないのですが。という訳でネタバレしていきます。

この究極の理由は、少々語弊がありますが、「ユーラシア大陸が東西に長く、それ以外の大陸は南北に長かったから」ということです。 これを詳しく言うと、東西に長い方が植物の伝達が早く、南北だと遅いという意味でしょうか。 ちなみにアメリカ大陸はひとまとめ、オーストラリア大陸は不毛の地も多いということで置いておきます。 で、なぜ南北だと遅いのでしょうか。単に、南北に長いと同じ距離あたりの気候の変化が東西よりも激しいだけです。 それがなぜ発展に影響してくるのかと言うと、農業ができると多くの人口を養えるからです。 元々回りのものを採ったりして生活していた狩猟採集民が、農業を行う農耕民(こっちの方が多くの人口を養える)になるには、農業をするための植物が必要です。 これのもとになる植物は、現在の中東のあたり(本中では肥沃三日月地帯)や、中国に多くありました。 このもとになった植物が多かったのも、ユーラシア大陸が発展した要因です。 で、話を戻して、この中東のあたりや中国から、ユーラシア大陸の中で植物を伝えるのは簡単でした。そう、気候の変化が少ないからです。 そして、この植物がユーラシア大陸で栽培されていくと、ユーラシア大陸が早く発展しました。 ちなみに、南米大陸などでも植物の栽培が行われたり、帝国が築かれたりしたのですが、ヨーロッパの方が先に発展していたため、 同じ時点で見るとヨーロッパが勝っており、それで植民地化できたようです。

結局なんなのかで言うと、「ユーラシア大陸に発展する素があって、なおかつそれが拡散しやすかった」という感じでしょうか。 ちなみに書きながら思い出していったので、ネタバレの最初のまとめとこの最後のまとめが違ったりします。

感想

この本の著者(原著)は、ニューギニア(都市部というよりは高地)で、先住民(認識が少し違うかも)と共に生活していたようで、 ニューギニアでの話やニューギニアという場所に関する話題も出てきていたりします。 また、この本の最初に、そのニューギニアのヤリという人が、疑問を提示し、その答えがこの本であるという構図になっています。 結局、この本はニューギニアから始まっているのです。ニューギニアの人の素朴な疑問が、この対策になったというのはとても面白いと思いました。

ちなみに、ユーラシア大陸が発展云々なら、なぜ中国ではなくヨーロッパなのかという話ですが、 私の記憶が正しければ最後のあとがきにおまけ程度に書いてありました。 それは、中国は地形的な障害(山脈等)が少なく、早々に統一されたからです。統一されているとなぜダメなのかというと、 皇帝「この技術いらないね」部下「廃止令出しときます」とできてしまうからです。 例えばそれが、航海技術だったりします。これによって、中国はアフリカを植民地化する機会をなくしてしまったのです。 一方で、ヨーロッパは、地形的な障害が多いため統一されずらく、 一国の君主「この技術いらない」他の国「この技術はまだいる」と、技術が途絶えることなく続けられます。 これによってヨーロッパ全体で見ると技術の消滅がなくなっていて、その差が出てきています。

また、印象に残ったエピソードとしては、一人の少しの行動で歴史が変わることもあるということです。 ヒ○ラーは、1930年に、交通事故に巻き込まれ、衝突相手のトラック運転手のブレーキのタイミングで死亡することはありませんでした。 しかし、ブレーキのタイミングがズレていたらどうでしょう。 もしかしたら、2次大戦に巻き込まれた多くの人の命が救われたかもしれません。 もちろん、党の後継者によって同じようなことにも成り得ますが、歴史のIFはそういうもんだと思います。

感想といいつつ感想らしいことは特に書いていませんでしたが、どうでしょうか。 なんだかんだで面白い本だと思います。